突然ですが、チョコレートは、どのように作られているかご存知ですか?
「チョコレートは、板チョコレートを溶かして冷やして固めて・・・という方法しか知らない」とか「カカオ豆から作られているという事は知っていても、それをどのようにして作っているかということまでは、正直あまり分からない」という方が多いと思います。
今回行ったワークショップでは、まさにその不明瞭な部分をクリアにしてもらうために原料である豆(カカオ豆)の状態から実際に自分の手で「チョコレート」を作っていきます。
実は、私も今回の企画をするまでは、あまり判っていませんでした(笑)大人になっても体験したことがない、知らない事だらけなんだなということをこの機会に改めて自覚することができました。そのこと自体に気づける機会を得られるということがとても大切なのだと、最近感じています。
さて、当日の様子を一緒に振り返ってみましょう!
[どんなことが体験出来るのか]
カカオ豆からの手作りチョコレート
カカオ豆の焙煎、殻むき、粉砕、生地作りや調合、生地を型に流して固めるところまでを行う手づくり体験ワークショップです。
当日の大まかな工程はこんな感じ
主な制作ステップ
step1 カカオ豆の異物除去・焙煎
step2 粉砕・ブレンド
step3 摩砕
step4 コンチング
step5 テンパリング
step6 成型して完成!
[まずはチョコレートの基本的なお話しから]
今回使用したカカオ豆は「インド産、フェアトレード、オーガニック」と安心安全かつ高級なお豆。原価が掛かっているわけです(笑)
まずカカオを洗います。パルプと共に発酵させているので、洗うとパルプに水が浸透して少しぬるっとした感じの感触になります。お米を研ぐように丁寧に洗っていくと、だいぶ水が濁ります・・・それだけ汚れが付着していたということですね。水が濁らなくなるまで何度か水洗いしていきます。
次にカカオをローストしていきます。
カカオ豆は、火が通ることで酸が除かれ、まろやかになると同時に香りや風味が際立ってくる。この段階で香りだけはすでにチョコレートのいい香りが立ち込めます。
カカオ豆はローストすることによって、チョコレートに必要な味や香りが出ます。
カカオ豆は、ローストすると殻(カカオハスク)と豆の本体である「カカオニブ」の間に空気が入ります。そのおかげで親指と人差指を使って押すとパキっと殻が割れます。あとは爪を使って剥がすだけです。
この段階で、カカオニブを実際に口にしてみると・・・。
「ニガっ!」いい匂いとは裏腹に、味は全然かわいくない。
さて、次の工程へ進みます。
皮をむいたカカオ豆をフードプロセッサーで粉砕していきます。念入りに砕き続けていくと、カカオバターと呼ばれる油分が溶け出し、ペースト状に変化。これがチョコレートの原料になる「カカオマス」です。カカオ豆は多くの油脂分(カカオバター)を含んでいるので、すりつぶし続けていくと、段々とペースト状(カカオマス)へと変化していきます。
滑らかになったチョコレートは、この後テンパリング(予備結晶化)と呼ばれる温度調整を行って安定させます。
「気持ちの良い温度にしてあげると、チョコレート同士がお行儀よく並んで手を繋いでくれます。」と、子供たちにも解りやすく結晶化のお話を。
温度を一旦上げて、下げて、また上げることでくちどけ滑らかになります。
厚みの少ない型をご用意したので、チョコレートの冷却時間が短いというメリットがあります。大体20分もあれば完全に固まるとのことでしたので、その間は講師の堀内さんを中心に、参加者の皆さまでワイワイと雑談の時間に。本業であるコーヒーをドリップしてもらい、みなさんでその美味しいコーヒーを飲みながら今日の感想なんかを共有しました。
冷蔵庫で約1週間寝かせると味が熟成してまろやかになるそう。ワークショップが終わった後も、自分の作ったチョコレートが育つ楽しみが残ります。
あいにくの雨模様でしたが、ワークショップは大盛り上がり。
2時間みっちりのプログラムの中、五感をフル稼働しながら、真剣な眼差しで取り組まれている姿が印象的でした。
各々違った素敵なチョコレートのお土産が出来ましたね!お持ち帰りいただいたチョコレートは、美味しすぎるが故、1週間の熟成期間を無事に迎えられるのかが心配であります。すでにお帰りまでの間に、どんどんと数を減らしている方もいらっしゃいました(笑)
ご要望多数でしたので、また近日中に「第2回チョコレートワークショップ」開催できるように準備進めて参ります。
こんな時代だからこそ、実際の空間に身を置いて、手を動かし、何かに没入する時間をつくってみる。普段意識し難い五感をフル稼働させることだったり、他の参加者との感覚の違いに気づくことで、自分自身と向き合う大切な時間を作っていけたらいいなと思い、今後も活動を続けて行きます。
お楽しみにしていてください♪
【講師からの一言】 チョコレートは私にとっては悪魔的食べ物。砂糖と油の塊で、食べれば太るとわかっているし、でも美味しいから止まらなくなるし・・・(笑) 好きなものを自分の手で最初から作れるなんてなんて素敵なことだろうと思い、ある講座に参加して以来、その美味しさにハマりました。 そしてきちんと作られたものなら少しで満足出来ることも知りました。 チョコレート、そしてその原料であるカカオから見えてくる世界は、今私が取り組んでいる「食の安全」・「食育」の問題、そして世界的な経済不均衡・児童労働の問題、日本の行政の企業優先の体質などが見えてきて、とても広く深いものがあり、その中で、自分が消費者として何を選ぶか、が社会を変える小さな一歩になる、そして健康を作る大きな一歩となるということを意識していただけたら嬉しいです。 始まる前、コーヒーを淹れている時に、子供達が寄ってきて、コーヒーの抽出の様子をみて、「泡が出てる〜」「なんで泡出るの?」「あ、下から出てきた」と、しっかり観察してそれぞれに見えたことを言語化してくれたので、「今日は楽しくなる」と確信しました。 皆さんがそれぞれの過程を興味をもって楽しんでくださって、とっても素敵な時間を過ごせました。
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